私が下記の記事に反論するのには理由がある。私は経堂保育園の元保護者で、民営化を身をもって体験した。区立保育園の民営化は、全国ですすめられている公的保育制度つぶしと企業経営化の流れだとして、多くの保護者や、区民、公私立の保育士などが反対している。しかし、下記のように「民営化反対=公務員の既得権益保護」といって対立をあおりたててきたのが民営化を推進する区議会議員である。すでに反論され解決済みの問題であるが、やめようとしないので、一保護者としてあらためて申し上げたい。
世田谷区議会議員のおおば正明氏(せたがや政策会議)が、自身の
HPで、民営化された三園を見学することすすめ、ご丁寧にも世田谷区の代表番号と所管課まで載せている。しかし、インターネットである。「関心のある方」は、氏がこの話題が多くの興味関心を引くと考えHPに載せたのであろうから少なくあるまい。
これによって関心を持った人がみな保育園の見学に行ったらどうなるか。保育士が訪問客に手をとられ、大きな負担になるとは考えないのだろうか。もちろん、これから子どもを預けようという方は、色々な保育施設を見学するよう私はすすめたい。しかし、不特定多数が興味関心だけで訪れるのは、施設や、第二の家庭としてすごす子どもたちにとって、ありがたいことではあるまい。
さて、この記事は全体にわたって「疑問形?」で書かれ、肝心な部分はみな憶測や邪推といった無責任な内容である。しかも、所々に断定的に書かれた部分でさえ、事実と違うのである。例えば…
>【仕掛け2】ガイドラインを設けて、営利企業の排除はもとより…
世田谷区民営化ガイドラインには営利企業を排除する文言は一切ない、区も排除していない。3園が優良な社会福祉法人になったのは、保護者、住民、関係者のはたらきかけの成果である。
>【仕掛け3】良心的な運営者が見つからない限り民営化のバトンは渡さない主義
ガイドラインにそのようなことは一言も書いていない。現在の区立保育園が水準。
>【仕掛け4】(民営化反対は区職員の)職場確保… 世田谷区での公立保育園での職員は年収925万円という職員も…
民営化で区職員は分限免職(クビ)にはならない。毎年度の異動で対応。世田谷区も他区も給与水準は同じ。年収925万円は園長クラスでも一人もいない。ちなにみ、私立認可保育園も給与水準は区立とほぼ同じである。本当は民営化に反対することは職員の既得権益確保のためではないかというのは邪推であり、保護者・区民の利益と対立をあおるためにする議論である。氏の言い方を借りれば、職員は「恐れる必要はない」のであるから。
全体的に見て、認可保育園の給与制度、公務員の任用制度、世田谷区の民営化計画の概要やガイドラインという基本的な文書も理解していないというのは、民営化を推進する区議会議員としていかがなものであろうか。
【管理人】